207試乗記

登場してかなりの期間が経過した207シリーズ。最強バージョンのGTiも出てきたしCCも登場。残るはSWくらいだろうか。これも本国ではすでに販売が開始されており、日本では来年の春先には販売開始になると思われる。
前にGTを試乗したが、ノーマルエンジンのヤツには試乗していなかったので、ディーラーへ行ったついでに「シエロ」に試乗してきた。そこで、まとめてインプレしたいと思う。

まずは外見。206と比較して一回り大きくなっているボディは当然3ナンバー。高さはそれほどでもないが、全長は大きく伸びており4メートルを超えている。また、車幅も大きくなって206よりもやや扁平になった印象。シルエットはキープコンセプトといったところか。新しいプジョーの顔とも言うべき大きく口のあいたフロントマスクはなかなか魅力的ですね。

室内に乗り込んでみるとやはり広い。インパネのホワイトメーターとメタル製のペダルがスポーティ感を強調。シエロとGTはガラスルーフとなっており室内は開放的に感じます。ノーマルの207だとどうなのかは又、試乗してみる必要があるかな。後席も広くてレッグスペースも十分。ヘッドクリアランス圧迫感はあるものの合格点でしょう。シートはやや硬い印象を受けるが、206や307と同等といったところか。

GTはターボ付1,600CCの5MT。BMWと共同開発したエンジンは燃費重視のターボエンジンのようで、いわゆる“ドッカンターボ”ではない。徐々にトルクが上がりスムーズに加速していく。MTも小気味いい。やはり1速と3速のストロークが長いと感じますが、これは右ハンドル化ゆえのことでしょう。
対してシエロは1,600CCのNAエンジン。なかなかパワフルに感じるのは可変バルブタイミング付の影響もあるのかな。4ATはAL4を使っているが、熟成と改良が加えられているようであり、変速ショックはかなり自然な感じとなっていた。ただ、巡航速度からの急加速や加速後の減速などはやはりAL4特有の違和感が残っており、この辺りの処理はイマイチの感をぬぐえなかった。
静粛性は良好。306から307に乗り換えた時は非常に静かになったと感じたが、207も206と較べて格段に静かになった印象。低速域ではエンジン音や排気音を感じるが、これは逆にスポーティ感を出すための演出であろう。

足回りはハッキリ言って硬い。307の時も感じたが、16インチというタイヤサイズも影響しているようです。15インチにしたら印象が違ってくるように思います。このクルマのサイズならば、NAエンジンであれば15インチでも十分であると思います。ハンドルは軽い。電動式のパワステは速度によって重さが変化するそうですが、これまでのプジョーとはハンドルの感覚がかなり異なっています。やや重くてしっくりと来たハンドル感覚ですが、なんとなく国産車っぽくなってきたような感じですね。

207シリーズを2種類、試乗してみましたが、206のフルチェンジ版というには、やや車格が違っているように感じました。昔のプジョーの106、205(6)、306、406、605といった約9年前に初めてプジョーに乗り始めてから2世代を乗り継いできましたが、あの頃の各シリーズと車格が同じなのは1シリーズのみのように思います(とは言っても、1007はやや趣向が異なっているが・・・)。2シリーズ以降は確実に格上になってきていますね。
207は非常に良く出来た車だと思います。ただ、難点は値段が高いこと。206が売れた理由は、“おしゃれで安い”ことだと思います。200万程度で買えることで女性層の購入も増加して、一気にメジャーになった訳ですが、207はやや高価ですね、ここのところのユーロ高の影響はあるにせよ、220万程度に抑えないとやや厳しいと思います。206→207へと買換えが進めばいいのですが、値段設定にはやや疑問です。

なかなか良い出来の207です。次の私の愛車になるかもしれません。ある意味“気になる”車です。






























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